そして,アップルの目指すG4を中心とした「デジタルライフスタイル」のビジョン(ZDNet Newsのph)は,少しずつ埋まっていく。iTunesは,MP3プレイヤーやCDプレイヤーをG4に結びつけ,iDVDは,デジタルビデオカメラとデジタルカメラ,DVDプレイヤーを結びつける。はて? ビジョンの図にあって,今回まったく触れられなかったものがある。それが,PDAだ。これはアップルがPDAに手を出す明らかな証拠となった。最後に残されたビジョンの砦。明日のために,アップルは確かなビジョンを示していることを忘れてはいけない。
スティーブ・ジョブズはマックワールドエキスポの基調講演で,アップル社の企業戦略について語った。それによると,今後,パソコンはデジカメやデジカム,DVDプレイヤー,MP3プレイヤーなどを結びつける「デジタル・ハブ」として機能する。「iTunes」と「iDVD」という2つのアプリケーションは,そのパスポートとなるものだ。
さっそく無料でDLできるiTunesを使ってすぐ気付くのだが,これ,サウンドジャムMPだよね(;´Д`),ということ(ph)。感じとしてはサウンドジャムMPに,アップルのインターフェイスをかぶせたような感じ。だが,使い勝手のよさは特筆もの。サウンドジャムMPの主要機能はほぼ搭載されているので(ないのはイコライザとスキンぐらいか? Rioなどへの転送もできる(ph)),これがタダだとMP3再生ソフトを作っている会社は飯の食い上げですな。そしてそして,なななななんと云っても,iDVD,だ。これは本当に,革命と云う言葉に値するもの。凄すぎ。家庭で簡単にDVDビデオが作れる。作ったDVDディスクは一般のDVDプレイヤーでも再生できる。もちろんムービーはMPEG2エンコードされる。パソコンは単なるDVD再生装置としては存在意義がないが,iDVDを使うことで本当にDVDを利用することができる。そしてそれは,パソコンの存在自体を変えていくだろう。このソフトウェアの登場は数年後のパソコンへの第一歩だ。
だが。iTunesは,サウンドジャムMPのプログラマーがアップル社に移籍して作ったものであり(サウンドジャムMPの開発元であるカサディ&グリーン社と事前交渉があったことは確か),CD-R作製用の焼きソフト「ディスク・バーナー」はラディアロジック社から権利を買い取ったもの。iDVDのテクノロジーの大半はアスタルテ社からチームごと買い取ったものだ(MacWIRE ONLINEの記事)。ビジョンを成り立たせるための重要なソフトウェアをひとつひとつ手にしていったのはすべて,云わば,今日この日のためだった。そして明日が続く。まだ終わりではない,すべては,はじまった,ばかりなのだ。
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